学生時代の思い出、あの頃愛した給食のケランチム

韓国で学生時代を過ごしたことがある方なら、給食のトレイの真ん中に鎮座していた四角い「ケランチム(韓国風茶碗蒸し)」を一度は目にしたことがあるでしょう。焼肉店で出てくるような、トゥッペギ(土鍋)でグツグツと沸き立つ火山のようなケランチムとはまた違う魅力があります。まるでプリンのようにぷるぷるで、それでいてしっかりとした弾力があり、口に入れるとフワッととろけるなめらかな食感!久しぶりにあの味が恋しくなり、自宅で完璧に再現してみました。

このレシピの最大のポイントは「湯煎(蒸し)」と「昆布だし」です。直火で加熱するのではなく、熱い水蒸気で優しく火を通すため、すが立たず、パサつきのない完璧な食感に仕上がります。温かいまま切り分けて食べても絶品ですが、冷蔵庫で冷やしてから食べても卵の生臭さがなく、立派なご飯のお供になります。お弁当のおかずにもぴったり!料理初心者でも絶対に失敗しない黄金比率とコツを、今から詳しくご紹介します。

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湯煎で作るケランチムが特別な3つの理由

  1. 究極のなめらかさ:直火ではなく水蒸気を利用した湯煎方式で調理するため、外側から内側まで均一に火が通ります。高級な日本料理の茶碗蒸しのように、なめらかな舌触りを実現できます。
  2. 深い旨味のハーモニー:ただの水ではなく昆布だしをベースにし、塩だけでなくアミエビの塩辛の汁を加えることで、噛むほどに深く豊かな旨味が溢れ出します。
  3. 優れた保存性:一般的なケランチムは冷めるとしぼんで水分が出やすくなりますが、この給食風ケランチムは密度が高いため、冷やして食べても味と形が完璧に保たれます。作り置きやお弁当にも強くおすすめします。

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美味しさを決める基本の材料

[昆布だしの材料]

  • 昆布(5x5cmサイズ):2枚(水やぬるま湯でじっくり旨味を引き出します)
  • 水:200ml(卵6個に対しての黄金比率です)

[卵液の材料]

  • 卵:6個(新鮮なLサイズ)
  • 料理酒(またはみりん):大さじ1(卵特有の臭みをしっかり消してくれます)
  • アミエビの塩辛(セウジョッ)の汁:大さじ1(具は入れず、汁だけを絞って入れます。旨味の最大の秘訣です)
  • 砂糖:小さじ2(すりきりで計量。ほのかな甘みが塩味と調和し、味を引き立てます)
  • 味塩:小さじ1(すりきりで計量。味がピタッと決まります)
  • ごま油:大さじ1(卵液に入れる用。後で器に塗る用にもう少し必要です)

[彩り用の具材]

  • みじん切りにしたネギ:大さじ2(豊かな風味を加えます)
  • みじん切りにしたニンジン:大さじ1(見た目を華やかに、食欲をそそる色合いにします)

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失敗知らず!プリンのようなケランチムの作り方

ステップ1:旨味のベース、昆布だしを取る

まずはベースとなるだし汁の準備です。200mlの水に5x5cmの昆布を2枚入れ、約20分ほど置いてだしを取ります。熱湯で煮出すと昆布の粘り気が出て汁が濁ってしまうため、水かぬるま湯で優しく旨味を引き出すのがポイントです。時間がない時はぬるま湯を使えば時短になります。

ステップ2:卵液を作る

大きめのボウルを用意し、卵6個をすべて割り入れます。そこに用意した調味料(料理酒大さじ1、アミエビの塩辛の汁大さじ1、砂糖小さじ2、味塩小さじ1、ごま油大さじ1)をすべて入れてください。砂糖と味塩は山盛りにせず、スプーンですりきって計量すると味が濃くなりすぎません。ごま油が入ることで香ばしい風味がパッと広がります。

ステップ3:なめらかさの秘密、卵液をこす

箸や泡立て器を使って卵をしっかりと溶きほぐします。白身と黄身がある程度混ざったら、あらかじめ作っておいた昆布だし200mlを注ぎ、再度優しく混ぜ合わせます。

【重要ポイント!】 ここで終わりではありません!完璧なプリン食感を目指すなら、完成した卵液を目の細かいザル(茶こし等)で一度こしてください。この工程により、カラザ(卵の白いひも状の部分)や混ざりきっていない白身の塊が取り除かれ、舌触りが芸術的になめらかになります。

ステップ4:彩り野菜を加える

ザルでこしたなめらかな卵液に、細かくみじん切りにしたネギ大さじ2とニンジン大さじ1を入れます。スプーンで軽くかき混ぜ、野菜が均等に行き渡るようにします。野菜が大きすぎるとすべて底に沈んでしまい、切った時の断面が綺麗にならないため、できるだけ細かく刻むことが大切です。

ステップ5:器の準備とコーティング

湯煎に使う器を選びます。熱に強い耐熱ガラスの器やステンレス製のボウルなどがおすすめです。完成したケランチムを形を崩さずに綺麗に取り出すため、器の内側にごま油をまんべんなく塗ります。ハケやキッチンペーパーを使い、底から側面まで丁寧にコーティングすると、香ばしい香りも移り、後で器からスルッと抜け落ちる魔法を体験できます。

ステップ6:卵液を注いで密閉する

ごま油でコーティングした器に、作っておいた卵液を静かに注ぎます。蒸気が上がって水滴が器の中に落ちるのを防ぐため、器の口にラップをしっかりと張ります。環境ホルモンが気になる方は、クッキングシートやアルミホイルでしっかりと蓋をしても完璧に仕上がります。

ステップ7:本格的な湯煎調理(火加減と時間)

大きめの蒸し器や鍋に水を張り、火にかけます。お湯が沸騰して鍋の中に水蒸気が充満したら、卵液の入った器を火傷に注意しながらそっと置きます。

鍋の蓋を閉め、「中火で正確に20分」蒸します。火が強すぎるとグツグツと沸き立ってすが立ってしまい、弱すぎると中まで火が通らないため、中火を維持することが最大のカギです。

ステップ8:蒸らしと盛り付け

20分経ったら火を止め、蓋を閉めたまま「5分間蒸らし」ます。この蒸らしの工程により、ケランチムの内部まで安定して火が通り、ぷるんとした弾力が生まれます。

蒸らしが終わってラップを外すと、ふっくらと膨らんだ黄色いケランチムに出会えます。器の上にまな板を被せてそのままクルッとひっくり返し、器をそっと持ち上げると、ケランチムだけがまな板の上にスポンッと抜け落ちます。(この時、器が非常に熱くなっているので必ずミトンや濡れタオルを使用してください!)

少し粗熱を取ってから、包丁で食べやすい四角い形に切り分ければ、断面の細かい気泡すら魅力的な、給食風のぷるぷるケランチムの完成です!

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編集者の料理ノート&アレンジのコツ

  • アミエビの塩辛がない場合は? セウジョッ(アミエビの塩辛)の汁の代わりに、カナリエキス(いかなご醤油)やナンプラー、あるいはツナエキスを大さじ1入れても素晴らしい旨味が出せます。ただし、魚醤は特有の香りが強い場合があるので、お好みに合わせて量を調節してください。
  • 様々な具材の活用: ニンジンやネギ以外にも、細かく刻んだ玉ねぎ、シイタケ、カニカマなどを入れたり、プチプチとした食感を楽しむために明太子やとびこを追加しても、非常に豪華なおかずへと変身します。
  • 保存と活用方法: 余ったケランチムは密閉容器に入れて冷蔵保存してください。2〜3日置いても傷まず美味しく食べられます。食べる直前に電子レンジで少し温め直しても良いですし、冷たいまま温かいご飯と一緒に食べても最高です。辛いトッポッキやブルダック、タッパル(鶏足の激辛炒め)などのスパイシーな夜食のサイドメニューとしても、この上ない相性を誇ります。ぜひご家庭で挑戦してみてください!